〈あざみ野塾〉からのお知らせ
〈あざみ野塾〉の受験指導方針2:徹底したシミュレーション

〈あざみ野塾〉は、一人一人の受験生と、1ヶ月以上かけて、受験大学を決めていきます。
私たちにとっては当たり前の作業なのですが、他塾/予備校や高校ではありえないことをしているようです。
〈あざみ野塾〉では、受験大学を決めるために3段階のプリントを渡します。
まず、「出願校考察プリント1」では、受けたい大学を好きに書かせます。
具体例を見てみましょう。
最後まで読んでいただけると、「共通テストを中心に」という意味がわかっていただけると思います。
受けたい大学を共通テストの得点率で書いてみると、右のようになります。
もし75%取れなかったら、私大は全滅します。その場合、2月の受験はどうなると思いますか。
だから、75%以下で良さそうな大学を考えさせます。
私大の欄で、同一ブロックに×が書かれているのは、同じような得点率で受かるなら、複数校出願するべきではないからです。だから、どちらがよいか、選ばせます。
その上で、彼の場合は、A〜Fパターンに分けました。
共通テストで何点取るかはわからないわけですから、それぞれの得点率に応じて、2月以降の受験を考えなければなりません。国公立大の出願だけでなく、私大の受験は、共通テスト利用でどれほどの合格を取れるかにかかっています。
だから、得点率でどのような出願をするか、を、一つ一つシミュレーションします。
ここでは、日程も考えます。
受ける以上受かってほしいので、受ける予定の大学はできるかぎりの準備をしてほしい。そのための日程です。
彼の場合、共通テストで押さえられても、練習のために受験したい、という希望があったので、受験校がけっこう多くなっています。
国公立大の受験が書かれているのでよけいに多そうに見えますが、私大の受験はCまで4〜5校です。
が、得点率が低くなるほど、受験大学が増えていることがわかりますか。
シミュレーションするのは、共通テストを失敗するとそれだけ受験はしんどくなるよ、ということを本人に自覚させる意味もあります。
が、それ以上に、もし失敗したとき、テンパった状態で受験校を決めてほしくない。失敗したときこそ冷静に作戦を練ることが必要です。だから、前もってのシミュレーションが大切なのであって、本人には、このシミュレーションの時間がムダだったね、と言えるように、共通テスト成功しようぜ、と言っています。
こうした作業が、11〜12月の受験生のタスクです。あくまでも私たちはアドバイスするだけで、本人が決めていかなければならない。
たいていの受験生は、ここで初めて真剣に「大学」と向き合っていきます。
共通テスト利用で、偏差値ではかなり低い大学を出願させます。本人が納得しても、ご家庭の反発があることも多い。本当にこの大学に行くのか、と。
私たちは塾としての実績を出すためにそうした指導をするのではありません。現に、〈あざみ野塾〉は具体的な実績を公表していません。
「行きたくない目標」という話をします。
たとえ共通テストを失敗しても、どこかの合格は拾ってほしい。というのは、そこに「行きたく」ないなら、2月の受験をがんばらないといけない。そういう目標にしてほしい。
たとえ浪人することになっても、「選択肢のある浪人」をしてほしいと思っています。どこも受からないから浪人するしかない、ではなく、受かっているところはあるけど自分の意志で浪人を選んでほしい。
共通テストを成功すれば、多大な時間をかけた、ムダなシミュレーションだといえます。
そういえるように、すべての受験生にがんばってもらいたいと思っています。
最後に、ある高校の出願校プリントをお見せします。
共通テストの得点がまったく考慮されていないことがわかります。というか、シミュレーションという概念がないことがわかると思います。