1-3 「特別入試」って?

 「特別入試」というのは、かつてAO入試とか公募推薦と呼ばれていた入試形式です。
 「総合型選抜」(=AO入試)と「学校推薦型選抜(公募制推薦)」(=公募推薦)を合わせたものを指しています。

「一般入試」とはどこが違う?

 「1-1 結局、大学入試にはどんな種類があるの?」にも載せた表です。

一般入試特別入試推薦入試
一般選抜総合型選抜
学校推薦型選抜
(公募制推薦)
学校推薦型選抜
(指定校推薦)
合否の判定大学大学実質、高校
出願・選抜の時期12月後半〜3月4月〜2月
9月〜12月が中心
〜12月
高校での選抜は
〜10月
試験形式ペーパーテスト何でもあり高校での評定
専願/併願併願多くが併願専願が原則

 この表からわかる「一般入試」と「特別入試」の違いは、
   ① 出願・選抜の時期
   ② 試験形式
です。

出願・選抜の時期

 「特別入試」は12月まで、その後、「一般入試」が始まります。
 その時期だけに注目すると、「一般入試」と「特別入試」は両立できそうです。

 で、実際はどうでしょう。

 東京都立大学理学部生物科学科「ゼミナール入試」

  高校生ゼミナール(体験入学)
    4月(出願)
    ↓
    6月(講義)
    ↓
    7月(実験)
    ↓
  9月 研究発表ゼミナール
    ↓
  10月 ゼミナール入試

 25東京都立大学
 ゼミナール入試

出願条件

 「特別入試」には、出願するために資格や条件が必要なことがあります。

 「公募制推薦」は、「学校推薦型選抜」というだけあって、学校の成績は必須。大学・学部によって必要な成績は違います。
 それ以外にも、部活や大会の実績など要求されることもあります。
 一方、「総合型選抜」は、出願条件が緩く、学校の成績も不問のことが多い。
 その点が違うといえば違います。が、実際はケースバイケースです。

 評定平均&英語外部試験が必要。

 さらに、レポート提出。

 さらに、試験。
 ただし、外国語学部英語学科は「適性検査」と呼ぶペーパーテストでほぼ決まる。

試験形式

 本当に何でもありです。

 実質、ペーパーテストで決まるものもあり、共通テストを利用するものもあり。
 準備に時間のかかるレポートやプレゼンが求められる大学もあります。
 スポーツ系や芸術系なら、実技が求められます。

 名前は「公募制特別入試」だが、分類としては「総合型選抜」。
 簿記2級以上などの資格が要る。

 一方で、「出せば受かる」大学もあります。
 私大の6割が定員割れだといわれています。
 そうした大学の場合、形式的な面接や小論文だけで合格できることもあります。

一番の違いは、、、

 「一般入試」と「特別入試」で一番違うのは、志望理由書の重さでしょうか。
 「一般入試」でも、願書に志望理由を書く欄があったりしますが、形式的なものです。
 が、「特別入試」では面接ともかかわり、大学によっては、面接で自分がアピールしたい方向にもっていくために、内容を戦略的に考えることも必要になります。

実は、、、

 大学によって合格の難易度が変わるのは、「一般入試」でも「特別入試」でも変わりません。

 ざっくりいうと、March以上の「特別入試」はかなりむずかしい。というより、準備が大変。
 入試の時期を考えると、その準備に夏休みをまるまる使うことになります。
 「夏休みを制するものは入試を制する」などという古い格言(?)もあります。
 夏休みを「特別入試」の準備に使ってしまえば、「一般入試」の準備=勉強が物理的に間に合うわけがありません。

 さて、「一般入試」と「特別入試」は両立できると思いますか?

 実は、できます。
 2パターンあります。

 一つは、「出せば受かる」大学をうまく使うことです。
 準備に時間がかからず、保険になる。
 そうした精神安定剤のような使い方は、受験生の性格によっては非常に有効な使い方でしょう。

国公立大が狙い目?

 もう一つは、国公立大学の「特別入試」をうまく使うことです。
 一定以上の学校での成績(評定平均)が必要なので、ハードルが高いと思われがちですが、逆にいうと、評定平均をもっているは利用できる可能性があります。

 「共通テストを課されるもの」と「共通テストを課されないもの」があります。
 「共通テストを課されないもの」は、出願に必要な評定平均も高く(4.3以上)、ハードルは激高。が、ペーパーテストの成績が重視されることも多く、準備の負担は比較的低い。
 それ以上にお勧めなのは、「共通テストを課されるもの」。実質、前期試験(2/25,26)前にチャンスが一回増える。と思えるほど、準備が要らないものもあります。

 AOⅢ期
 出願条件に評定平均はない(が、実際には合否には関係する)。