〈反転授業〉とは?

 〈学校の勉強〉を大切にしながら〈体系的な学習〉もしっかりやらせる——低学年(〜高2)の数学に対するあざみ野塾の提案が、〈反転授業〉です。

 〈反転授業〉とは、「学校の授業」と「自宅での学習」を逆転させ、数学の学習に本来必要な演習を、講師の指導のもと十分に行う授業です。

 実感していただくには体験が一番ですが、まずは以下のポスター1でご覧ください。

ポスター1

 ポスター1は、2015年2月に関西大学で行われた「反転学習はディープアクティブラーニングを促すか?」(東大山内先生と京大溝上先生、関西大学森先生が主宰)に出展したものです。これは、講師(岩崎達浩)が某塾で実践した反転授業と、各種高校などで行われている反転授業の長所と短所を並べた上で、新しい形の反転授業を提案しています。

ポスター2

 ポスター2は、2016年5月に東京ビックサイトで開催された「教育ITソリューションEXPO」に3日間出展したものです。こちらは、講師(岩崎達浩)が独自の演習プリントを活用した新しい反転授業の提案になっています。
 ポスター1での提案を実際に某医学部予備校(多浪生が多い)で実践し、医学部正規合格100%の実績を出したやり方として、商品の宣伝もかねて貼り出しました。

 この〈反転授業〉があざみ野塾のめざす方向性とぴったり合うので、相思相愛の形で、講師(岩崎達浩)のあざみ野塾への出講が決まりました。

第二の扉…日本語


 あざみ野塾では「日本語」と呼んでいますが、大学受験を視野に入れた説明をいたしますので、一般的な呼称としての「現代文」で説明させていただきます。


 そもそも、テストは文章読解の実力を測るためにありますが、いつしか、テストの点数の良いことが文章の読めることだと思いこまれてきました。
 しかし、文章を「読む」ことと設問を「解く」ことは根本的に違います。

 文章を「読む」とは、筆者/作者の書いた文章を読むことであり、比較的長い文章を大づかみできること、いわば文章を〈マクロ〉にとらえる力が求められています。そのため、現代についての知識や興味関心、文章全体を構造的に把握する力などが必要とされます。
 一方、設問を「解く」とは、出題者の作った設問に答えることであり、短文から的確に意図を読み取ること、いわば文章を〈ミクロ〉にとらえる力が求められています。日本語を文法的に正確に読む力、一字一句読み飛ばさない注意力などが必要とされます。

 前者は、一般に「文章読解力」といわれ、これこそ国語教育の目的だと考えられてきましたが、現代社会において求められているのは、短い言葉で正確にやりとりできる能力=「コミュニケーション力」であり、この能力を鍛えるのが、これまでただのテクニックだとして蔑まれてきた「解く」力(後者)です。

 そもそも、「現代文」は、日本語によって書かれた、現代についての文章を対象とする学問です。「読む」ためには、日本語を学ぶこと(語学)と現代を学ぶこと(現代学)が必要です。

 一方、「解く」ためには、出題者の意図を見破る必要があります。文章が読めれば解けるわけではありません。そして、答えるためにはそれを表現できなければなりません。

〈読む〉
 ⑴ 語学としての現代文
  ⒜ 語彙…英語でいう「単語」にあたる部分です。
  ⒝ 構造…英語でいう「文法」にあたる部分です。
     ただ、文単位ではなく、文章単位のルール・構造を扱います。
 ⑵ 現代学としての現代文
  ⒞ テーマ…現代の基本的なテーマについて考察します。
     文章が読めないのは、その文章のレベルが高いのではなく、
     その分野に興味がなく読むための知識や語彙がないからです。

〈解く〉
 ⑶ 設問としての現代文
  ⒟ 出題者の意図…設問自体を「読み」ます。  

〈書く/言う〉
 ⑷ 表現としての現代文
  ⒠ 記述…文章や解答を「書き」ます。
  ⒡ 発言…意見を「言い」ます。 


 上記4分類に応じて、次のような授業が行われています。

  ① 新聞コラムの音読…毎日、全員でやっています。
                         ←⒜・⒞
  ② 現代学入門…高1・2向け。
      本を読ませて、
      その内容とかかわる自分の具体的体験をプレゼンさせます。
                         ←⒜・⒞・⒡
  ③ 構造…高2〜受験生向け。
      文章構造の基本を訓練する、現代文への入門講座。
                         ←⒝
  ④ 内容…受験生向け。
      現代の主要テーマを体系的に一年かけて習得させる講座。
                         ←⒜・⒞
  ⑤ 解く…受験生向け。
      〈設問の読み方〉を習得させる講座。
      センター試験から始めて、記述問題に至ります。
                         ←⒝・⒟・⒠
  ⑥ 要約…受験生向け。
      「構造」の文章を使って200字に要約する練習をさせます。
      記述問題や小論文の前提として、個別に対応します。
                         ←⒝・⒠
  ⑦ 小論文…受験生向け。
      個別に指導します。
                         ←⒝・⒞・⒠


 すべての講座が開講されているわけではありません。塾生の状況や時間割の都合などで、開講講座は変わります。

 カリキュラム全体については、「カリキュラムについて」をご覧ください。

第一の扉…ブートキャンプ


 勉強というのを、先生と生徒の関係で考えると、
  ① 勉強の内容
  ② 先生の教え方
  ③ 生徒の学び方
という三つの要素がかかわります。

 普通の塾は、①と②を中心に考えます。
 もちろん、〈あざみ野塾〉でも、①と②を軽視しません。特に、「内容」は勉強の根幹に関わる重要な部分です。しかし、「学び」の基本的な姿勢が身についていなければ、勉強は空回りします。
 成績が上がらないことを、教材や教え方(①+②)のせいにしていませんか。
 当然そうした面もあるでしょうが、まず自分自身の「学び」のあり方(③)を見直すべきです。

 その最も肝心な部分を鍛えるのが〈あざみ野塾〉です。


 〈あざみ野塾〉は、「当たり前」のことを「当たり前」に教える塾です。

 残念なことに、勉強に必勝法はありません。根性で乗り切れるものでもありません。ましてや、ムリヤリでっちあげた「やりたいこと」が何かを変えるわけなどありません。
 もしあるとしたら、根気よく、地道にやるしかない作業=普通の勉強があるだけです。

 でも、その「当たり前」をどれだけの人ができているでしょうか。

 悲しいことに、この「当たり前」は人によって違います。
 わからないことがあると「当たり前」に辞書を引く人もいれば、「当たり前」に無視する人もいます。「当たり前」に無視する人から見れば、辞書を引くことは決して「当たり前」ではありません。

 あなたの「当たり前」はどうでしょうか。

 その一つ一つを見直すことをめざすのが、〈あざみ野塾〉です。ですから、〈あざみ野塾〉は、何も特別なことを教えません。もし〈あざみ野塾〉が特別な塾だとしたら、それは、「当たり前」のことを「当たり前」に教えるからです。


 学習指導は、どこの塾でもやっています。しかし、たいていはやりっぱなしです。
 〈あざみ野塾〉は、一人一人の「学び」を丁寧に見ていきます。一人一人の「当たり前」を見直します。そして、ほとんどの高校生がやれていない、根気のいる、面倒くさいことをやらせます。〈あざみ野塾〉ではこれを「ハミガキの勉強」と呼びます。
 そうした勉強は、具体的な科目と切り離すことはできません。ですから、一人一人の状況を勘案して、まず一つの科目(たいていは英語か数学になると思います)をとりあげて、勉強の基本的な姿勢を鍛えていきます。ただ勉強のやり方を教えるのではなく、それぞれの科目の講師と連携して、その勉強に何が足りて何が足りないかを見きわめて、足りない部分を補っていきます。

 では、受験はこうした勉強と関係ないのでしょうか。

 いやむしろ、こうした「学び」こそ受験の基礎であって、それを固めないからこそ勉強に苦労するのです。
 一流と呼ばれるスポーツ選手がやる練習のほとんどは、基礎練習だといわれています。そんなことは知っているよ、と思うなら、その「当たり前」を自分の勉強にも当てはめてもらいたいと思います。

 〈あざみ野塾〉が「ブートキャンプ」(「新兵訓練所」という意味です)と呼ぶ基礎練習こそ、勉強において最も大切なことであり、それ抜きに受験の成功はありません。