1-2 「一般入試」:共通テストとは

 「一般入試」というのは、文字通り、これまで「一般的」だと思われてきた入試形式です。
 ですが、大学が独自にやるペーパーテスト――では、、、足りません。
 「一般入試」には、

    ⑴ 共通テスト:大学入試センターが行う試験
    ⑵ 個別試験 :各大学が行う独自試験

があります。

 ここでは、「共通テスト」がどういうものなのか、その特徴を基本的なところから説明します。

そもそも「共通テスト」とは

 「共通テスト」の正確な名前は、「大学入試共通テスト」です。
 (独立行政法人)大学入試センターが、1月13日以降の土日に実施しています。

一般入試としては、実施の時期が早い。

 最も早いときは1月13日(土)14日(日)、最も遅いときは1月19日(土)20日(日)。

 共通テストの得点は、その後の受験を左右します。
 が、、、2月を本番だと思っている受験生は、共通テスト対策をおろそかにしがち。(具体名を出すわけにはいきませんが)共通テスト対策をしっかりやらせている高校とやらせていない高校では、合格実績が雲泥の差です。

 共通テストの日程と私立大学の出願日程には、微妙な関係があります。

 私立大学前期日程(1月末〜2月中旬)は、多くの場合、1月20日前後が出願期限です。共通テストをうまく活かすには、私立大学の出願はできるだけ遅らせて、共通テスト後にしたいのですが、、、

 早い日程のとき、主要な大学の出願に間に合います。共通テストの得点(自己採点の結果)がわかって出願できるので、それに合わせた受験校、受験日程を組めます。

 しかし、日程が遅くなればなるほど、出願が間に合わない大学が増えます。共通テストの得点がわからないまま出願しなくてはならず、見切り発車せざるをえない年もあります。

 26年の共通テストは、1/17(土)18(日)。
 比較的遅いので、志望大学によっては、出願のタイミングがむずかしい年です。

 理想をいえば、リサーチ(大手予備校の予想ボーダー)が出そろってから出願したいところですが、早くて水曜日(1/21)夜なので、1/20に間に合わない!
 自己採点の感触で見切り出願するしかないかもしれないし、1/20より前に出願期限のある大学もけっこうある。

 たとえば、明治大学は、全学部入試の出願締め切りが1/16。学部別入試は1/22か1/26。学部別入試は共通テストを受けてから出願できます(出願すべきです)が、全学部入試はそういうわけにはいきません。

 少し悩ましい年です。

7教科の中身を整理します。

 25年から、共通テストは、全部で7教科21科目あります。
 が、一般的な受験生が受験する教科/科目に絞って説明すると、次のようになります。

教科科目
土1地歴地理総合/地理探究
歴史総合/日本史探究
歴史総合/世界史探究
・社会が「地歴」と「公民」に分かれているだけ。
・「日本史」「世界史」はかなり思考力を必要とする問題なので、ただの暗記では高得点できない。
「歴史総合」は世界史的な内容が多く、日本史受験者は「歴史総合」対策が必要。
公民公共/倫理
公共/政経
・社会の2科目めとして選択するのが一般的。大学によっては、1科目めとして利用できる。地歴に比べて準備が楽なので、うまく利用したい。
・社会2科目必要でも、「公民」から2科目は選べない。
土2国語国語・現代文3題(45点×2+20点)、古文1題(45点)、漢文1題(45点)。第3問は25年から始まった形式で、図や表を読み取らせるもの。時間をかければ解けるので、時間のやりくりが課題である。
・「国語」は科目としては1つだが、大学、学部学科によっては、「現代文/古文/漢文」ではなく、「現代文のみ」「現代文/古文」の得点を合否に用いる場合もある。受験校選びの際によく確認を。
・現代文しか必要ないなら、90分全部を現代文に使ってもよい。
土3外国語英語・文法問題の出題はなく、実用的な英語を中心とした出題がされている。一見簡単だが、文法や読解を中心とする個別試験とはかなり色合いの違う出題なので、十分な練習が必要。
・時間はリーディング80分、リスニング30分なのに、配点はリーディング100点、リスニング100点。時間あたりの点数が高いので、リスニング対策は後回しにせず、できるだけ早く、かつ十分に。
初日最後にリスニングがあるので、気力がもたず、実力が出せない受験生が多い。
日1数学数学Ⅰ/A
数学Ⅱ/B/C
・設問の難易度はそれほど高くないが、設問量が多いので、時間が足りない。特に「数学Ⅱ/B/C」は、圧倒的に時間が足りない。時間対策を十分に。
・理系の「数学」は一般的に2科目必要だが、文系は、1科目でよい場合もある。受験校選びの際によく確認を。
日2理科物理基礎/化学基礎
/生物基礎/地学基礎
物理
化学
生物
地学
・「基礎」科目は、4つのうち2つ選択して1科目扱い。
・文系の「理科」は、「基礎」科目を選択するのが一般的。
・理系の「理科」は、大学によって、学部学科によって、1科目でよい場合と2科目必要な場合がある。受験校選びの際によく確認を。
日3情報情報Ⅰ・25年から始まった教科/科目。
・高得点できるようなら、選択科目の1つとして活用できる。
・対策が後回しになりがちなので、早めの対策を。

さまざまな大学の受験に利用できる。

 1つの試験で国公立、私立を問わず、ほとんどの大学の受験に利用できます。
 25年現在、利用できない主要な大学は慶応大学だけです。

 私立大学の共通テスト利用入試は、募集人数が少ないですが、実際の合格人数は非常に多い。実際、募集人数がはるかに多い個別入試より、共通テスト利用入試の合格人数の方が多いこともあります。

 共通テスト利用入試は、共通テストを受けているかぎり、誰でも出願可能なので、高倍率、高得点争いになりやすい。が、一方で、入学率が低いので、大学は大人数を合格させるわけです。

 上智大学では、TEAPスコア利用方式共通テスト併用方式共通テスト利用入試3教科共通テスト利用入試4教科、の4種類の受験方式がある。

TEAPスコア利用方式
 英語だけTEAP(外部試験)の得点を用いる。

共通テスト併用方式
 文系:共通テスト(英語/国語/社会or数学の3教科3科目)+独自試験。
 理系:共通テスト(英語/数学×2/理科の3教科4科目)+独自試験。

共通テスト利用入試3教科

共通テスト利用入試4教科

募集人数受験人数合格人数倍率合格人数/募集人数
TEAPスコア利用方式119人1035人263人3.22.2倍
共通テスト併用方式187人1942人493人3.22.6倍
共通テスト利用方式3教科15人1290人355人3.624倍
共通テスト利用方式4教科18人639人282人2.316倍

・募集人数を考えると、共通テスト利用方式はTEAP方式/併用方式より圧倒的に少ないが、合格人数は変わらない。

 だから、私立大学志望者は、共通テストを受験しなくてもいい、というのは、まったくのまちがいです。

 共通テストは8科目受験、とはかぎりません。
 共通テストは、1科目から受けられます。

 だから、英語だけ受験、もありです。
 私立大学によっては、その英語の得点を、個別試験の得点として利用することもできます。

 立教大学では、文学部以外、一般入試の英語に、外部試験か共通テストの得点を使います。

 早稲田大学文学部/文化構想学部では、選択科目に、共通テストの得点を使います。
 しかも、最も高得点の科目を合否判定に使えます。

 それどころか、、、

 英語(リーディング/リスニング)のうち、リーディングだけの得点を利用する私立大学もあります。
 同じように、国語(現代文/古文/漢文)のうち、現代文の得点だけを利用する学部もあります。この場合、試験時間90分を、すべて現代文にあててもかまいません。

【文芸学部】
国語
 英文、マスコミ、ヨーロッパ文化、各学科は、現代文だけでよい。
外国語(英語)
 文芸学部国文学科以外:リスニングの比率を下げて、リーディングを重視する配点に変えている。
 特に、文化史学科は、リーディングだけ
 ※は、英語学部試験の成績に置き換えられるマーク。

【法学部】
国語
 現代文と古文だけでよく、漢文が要らない。
外国語(英語)
 こちらも、リーディング重視の配点に変えている。リーディング:200点+リスニング:50点=250点

 一般的に、私立大学志望者は、3科目受験します。
 受験科目が多くなればなるほど、受験生は大変なわけですが、より多くの科目を受験すると、お得なことがあります。

 1つは、利用する科目数が増えれば、ボーダーや倍率が下がります。

上智大学
文学部
英文学科
明治大学
法学部
法律学科
明治大学
理工学部
情報科学科
3科目4科目3科目4科目5科目3科目4科目
ボーダー89%83%85%81%80%87%86%
倍率3.2倍2.1倍3.2倍1.8倍1.8倍4.2倍3.0倍

※ 「ボーダー」とは、一般的に、合格可能性50%として、予備校や業者が予想したラインです。
  上の表の「ボーダー」は河合塾の予想、「倍率」は大学の公式データです。

 ほとんどの私立大学志望者は、3科目受験です。
 そこに、文系なら情報を足す、理系なら国語(現代文だけでも)を足す、というのも1つの選択肢です。
 その意味では、もともと多科目を受験している国公立大学志望者の方が有利であることはたしかでしょう。

 もう1つは、多科目を受験していると、そのなかの最高得点で合否を判断してくれる場合が多いことです。

 選択科目は、受験した科目のなかから最も高得点を利用できる。
 受験できるのは、最大5教科(地歴/公民、数学、理科、情報)6科目。

検定料が安い。

 共通テストの検定料は、

    3教科以上受験する場合、18000円。
    2教科以下の場合、12000円。

      成績開示をするなら、+300円。
      必ずかかる手数料として、+188円。

です。

 でも、それ以上に安いのが、私立大学の共通テスト利用入試の検定料。

【私立大学入試検定料】
    共通テスト利用入試:15000円〜20000円
    個別試験     :30000円〜35000円

 大学によって額は違いますが、すべての大学で、共通テスト利用入試の方が個別試験よりも格段に安い。
 だから、共通テストを受けると、いくつもの大学を格安に受験できるわけです。

 ということは、、、

 いわゆる滑り止めを共通テスト利用入試で確保すると、志望順位の高い大学の準備をじっくりとできる時間が生まれる、ということです。

出願はWebです。

  25年から、(高校生を含めた)すべての受験生が自分でWeb出願することになりました。

事前準備
   ①パソコン、スマホ、タブレット
   ②メールアドレス
   ③顔写真データ

【出願手続】
   ①「共通テスト出願サイト」でマイページの作成
   ②出願登録
   ③検定料の支払い
  (④出願内容の確認・訂正)

 各手続きができる期間が限られているので、注意が必要です。
 マイページの作成は事前にできます(25年の場合7/1〜10/3)が、出願登録と検定料の支払いは2週間ほどしかありません(同9/16〜10/3)。

 高校生は学校から指示があるから心配ないでしょうが、高卒生は気をつけてください。

 詳しい資料は、公式の「受験案内」をご覧ください。