1-7 「一般入試」:個別試験

 「一般入試」というのは、文字通り、これまで「一般的」だと思われてきた入試形式です。
 1-2〜1-5で「共通テスト」」を解説したので、ここでは「個別試験」について考えていきます。

国公立大学の場合

 国公立大学では、共通テストが1次試験、個別試験が2次試験です。

日程:前期/後期、、、中期?

 国公立大学の2次試験は、前期日程と後期日程があり(「分離分割方式」と呼ばれる)、さらに、公立大学には、中期日程が認められています。

 前期日程は必ずありますが、後期日程や中期日程は大学によります。
 特に、中期日程を採用している公立大学はわずかです

  関東近辺で中期日程を採用しているのは、高崎経済大学経済学部都留文科大学
   ともに、前期日程より中期日程の方が募集人数の多い、中期日程中心の珍しい大学、学部。

国立大学公立大学
前期日程2/25〜
中期日程3/8〜×
後期日程3/12〜
上の日程を無視した独自日程の大学もあり。

 国公立大学の出願は、最大3つできるわけです。どの日程も、1月26日〜2月4日に出願します。
 前期だけ、後期だけを出願することもできますし、複数の日程を出願するときは、一緒に出願します。

 前期日程で合格し入学手続(〜3/15)をした者は、中期日程と後期日程を受験できますが、合格することはできません。

 一部の公立大学は、独自日程で2次試験を行います(26年は、国際教養大学/新潟県立大学/芸術⽂化観光専⾨職⼤学/芸術⽂化観光専⾨職⼤学の4つ)。

 たとえば、国際教養大学。26年の場合、A日程は2月7日、B日程は2月21日、C日程は3月10日に行われます。

 日程をずらすことで、他の国公立大学受験者も受験可能。
 しかも、他の国公立大学で入学手続した者も、合格し入学手続できる!

2次試験の形態

 国公立大学の2次試験には、さまざまな形態があります。

   ⑴ なし
   ⑵ 小論文/実技/面接
   ⑶ 科目別試験
   ⑷ 総合問題

 国公立大学を志望する場合、合格の難易度とともに重視しなければならないのが、受験に必要な科目と、1次/2次試験の比率です。

 具体的な話は《出願編》の方で詳しく説明しますので、ここでは、関東近辺の「2次試験なし」の大学、学部学科を紹介しておきます。
 

2次試験なし

 2次試験が課されないで、共通テストだけで合否が決まるので、共通テスト「命」になります。

【関東近辺の「2次試験なし」国公立大学】
前期日程

 埼玉大学理学部物理学科/基礎化学学科
 都留文科大学
 長野大学

中期日程
 長野県立大学グローバルマネジメント学部グローバルマネジメント学科
 長野大学共創情報科学部

後期日程
 お茶の水大学理学部数学科/物理学科
 埼玉大学教育学部学校教育コース乳幼児教育専修/理学部生体制御学科

  「長野大学」は公立大学。

私立大学の場合

 個別試験は、日程で分けると、前期日程/中期日程/後期日程、方式で分けると、全学部入試/学部別入試、になります。

日程:前期/後期、、、年内?中期?

 私立大学の一般入試の日程は、下図のようになります。

私立大学一般入試日程
年内入試

 11月下旬から始まる、ペーパーテスト中心の入試を、一般的に、「年内入試」と呼びます。

 文科省の規定では、一般入試は2月1日以降に実施しなければならないので、「年内入試」は、正確には特別入試(総合型選抜か公募制推薦)。だから、建前として、何らかの形の「志望理由書」などを必要とします。

 が、実際は、個別試験の結果で合否が決まるので、ここでは一般入試として扱います。

基礎学力テスト型
 配点210点中200点が筆記試験
 活動報告書は10点なので、ほぼ合否に影響しない。

 試験日は11月23日だが、最終的な入学手続は3月9日までで、他大学を併願できる。

 有名なのは、神奈川大学給費生試験東洋英和女子大学スカラシップ入試です。いずれも、奨学金合格と一般合格を出す制度です。
 共通テスト本番前に実戦練習できる、と多くの塾/予備校が煽ったので、合格難度が上がり、もし奨学金合格ができれば、早慶確実、という時期もありました(つまり、奨学金合格者は、実際には入学しない、ということです)。

 「年内入試」を入試本番前の実戦練習に使うべきかどうか、は、受験生本人の性格次第です。

 「年内入試」の合否は、共通テスト前に出ます。
 合格すれば気分よく共通テストに望めるでしょうが、不合格なら、、、というところに、受験生本人の性格がかかわります。
 もし、その不合格をしっかり反省して、共通テストに望めるなら、「年内入試」を受験したことはプラスに働くでしょうし、逆に、ずるずる引きずるようなら、マイナスに働くでしょう。

 年内 奨学金

 前期 医学部 関西 
    工学部系…複数日程

方式:全学部入試/学部別入試

前期/中期/後期
  内容
  比率

 私立大学

  年内/前期/中期/後期…複数日程
  全学部/学部別

 3月に実施する私大入試(「3月入試」とか「後期試験」といわれる)では、共通テストの得点をそのまま使うところが多い。
 3月まで思ったような合格ができていない(でも、浪人したくない)受験生たちの敗者復活戦の意味合いが強いので、高得点争いになりやすい。

 ⅲ) 個別入試(前期)の出願のタイミング

 個別試験の本番は、1月末から2月中旬です。これを「前期試験」と呼びます。
 その出願時期は慎重にすることをお勧めします。

 最近では、こちらも増えています。
 共通テストを利用することはたしかですが、大学独自の試験もあり、正確には個別試験の一種。
 立教大学や上智大学のように、英語だけを利用する場合、それ以外の科目は大学独自の試験が課されます。

 英語は「外部試験」か「共通テスト」。
 それ以外は独自問題。

 早稲田大学や青山学院大学のように、複数科目を利用する場合、大学で受験する科目数は少なくなります。総合問題が出題されたり、大学独自の試験があったり、と多様です。

 +独自問題のパターン。

 一般的に、共通テスト利用入試()の入学検定料は18000円。個別試験は35000円。
 共通テスト併用入試()は個別試験扱いなので、35000円。

 ちなみに、入学検定料は、大学によってさまざま。
 定額で受け放題、2学部以降は割安、とか、受験生を呼び込むために各大学が工夫している。

 24専修大学

 

私立大学:個別試験

 個別試験は、一つの試験でどこの学部でも受けられる場合と学部ごとに独自の試験を行う場合があります。

    全学部入試
    学部別入試 

 「全学部入試」とは、大学単位で行う「共通テスト」のようなものです。一つの試験を受けて、複数の学部・学科を志望できます。
 その分、学部別入試より倍率は高くなり、合格の難易度が上がる、といわれています。が、募集人数に対する合格人数も、学部別入試より増えるので、一概にそうとはいえません。

 「学部別入試」とは、学部ごとに独自の試験を行うものです。
 「共通テスト併用入試」のところにも書きましたが、共通テストでの得点が算入される場合もかなり増えています。

 大学によると、「スカラシップ入試」とか「奨学生入試」という名前で、授業料の減免を前提とした入試もあります。
 実施の時期は大学によって違いますが、一般的には、12月後半か2月初め。
 難易度はかなり高く、たとえば、12月末にある東洋英和女子大学「スカラシップ入試」、神奈川大学「給費生試験」は、時期的に、共通テストの予行演習になることもあって、受験人数も多く、スカラシップ/給費生合格すれば早計上智確実といわれるくらいむずかしい。

 共通テストの予行演習になるが、合格発表は共通テスト直前。
 利用するかどうかは、受験生を選ぶかも。

  実質、「全学部入試」。

 一つの大学で、全学部入試と学部別入試を両方受ければ、過去問対策など、効率的な準備ができる!
 共通テストもうまく利用すれば、一般入試だけで、志望大学の志望学部を何度も受験できる。

 ちなみに、大学によっては、受験会場、受験日程が複数ある場合(地方大学に多い)、数日にわたる場合(2月初旬に入試がある大学に多い)もある。
 たとえば、関西の有名大学は、軒並み、東京受験ができる。