1-5 「一般入試」:共通テストの使い方〜私立大学2〜

 「一般入試」というのは、文字通り、これまで「一般的」だと思われてきた入試形式です。
 ですが、大学が独自にやるペーパーテスト――では、、、足りません。
 「一般入試」には、

    ⑴ 共通テスト:大学入試センターが行う試験
    ⑵ 個別試験:各大学が行う独自試験

があります。

 ここでは、「共通テスト」の使い方を私立大学について解説します。
 この章で扱うのは、「共通テスト併用入試」と「特別入試」です。

私立大学の場合

 私立大学では、「一般入試」を中心に、共通テストを利用した入試が拡大しています。

 それを一般には「共通テスト利用入試」とか「共通テスト併用入試」といいますが、そう名乗らない場合にも、共通テストがかかわっていることが多々あります。

 早稲田大学の「一般選抜」は、多くの学部で、共通テストが必須になっています。
 立教大学の「一般入試」は、文学部以外、英語の独自試験をやらないで、共通テストか外部試験(英検やTEAPなど)の得点を用います。

 逆に、共通テストをまったく利用しない総合大学は慶応大学くらい。
 そして、、、医学部受験(特に医学部を中心とした大学)には、共通テストを利用できないことが多い

  私立大学医学部は、さまざまな点で、それ以外の学部と違うところがあります。
   受験の時期、検定料、地域枠などなど、、、章を改めて説明する予定。
   この章では、医学部を除いた一般的な説明をしています。

 共通テストを利用する入試は、「共通テストの得点だけで合否を決定するもの」=単独と、「共通テスト+大学独自試験の合計点で合否を決定するもの」=併用、に分かれます。
 一般的に、「単独」を「共通テスト利用入試」といい、「併用」を「共通テスト併用入試」といいます。が、あくまでも「一般的」であって大学によって名称が異なります。

共通テスト併用入試

 ここでは、共通テスト+大学独自試験の合計点で合否を判断する併用方式について見ていきます。

 「単独」は、ほぼすべての大学に採用されていますが、「併用」は、一部の大学にしか採用されていません。
 上にも書きましたが、「共通テスト併用入試」とか「共通テスト併用方式」と名乗っているとはかぎらないので、入試要項をしっかり確認してください。

【共通テスト併用入試を採用している主要大学】
 早稲田大学
 上智大学
 中央大学
 立教大学
 日本大学(工学部)
 順天堂大学(医学部/医療看護学部/保険看護学部/薬学部)

⒜ 一口に「併用」といっても、、、

 「併用」には、大きく分けて、2つの方式があります。
 1つは、個別試験の一部を共通テストの得点で評価するもの」=科目代替型
 もう1つは、「共通テストを1次試験のように使って、大学独自試験を重ねて行うもの」=一次試験型

 そもそも採用している大学も少ないので、どちらが主流とはいえません。

 個別試験の一部を、共通テストに置き換えます。
 たとえば、「英語/国語/社会」という受験科目のうち、「英語」と「国語」は大学独自の試験で、「社会」は共通テストの得点を使う、というぐあいに。

 共通テストと大学独自の試験が互いに科目を補い合って、1つの入試になっています。

経済学部
 共通テスト:2科目(英語/国語)
 独自試験 :数学

国際情報学部
 共通テスト:2科目(数学or情報/国語or社会or理科)
 独自試験 :英語

文学部
 共通テスト:1科目(数学・社会・理科・情報)
 独自試験 :英語/国語

文化構想学部
 共通テスト:1科目(数学・社会・理科・情報)
 独自試験 :英語/国語

 共通テストの「英語」を、外部試験の一種として用いる大学もあります。

 立教大学は、共通テストの「英語」を、外部試験の1つとして明確に位置づけている。

文学部
経済学部

 共通テスト:英語
 独自試験:3科目(国語/英語/社会or数学)

 「英語」は、外部試験か、共通テストの得点を使う。

 共通テストの「英語」は、文法が出ず、実用英語が中心の出題になっています。また、(リーディング80分、リスニング30分なのに、それぞれ100点配点という)リスニングに配点が偏っている異様な試験です。
 一見簡単そうですが、慣れないと(特にリスニング!)、なかなか安定して高得点できない試験なので、十分な練習と準備が必要です。

 大学での入試作成を軽減するために、受験者の少ない科目を共通テストに任す大学もあります。

 「ドイツ語」「フランス語」「中国語」、「数学」は、共通テストの得点を使う。

 受験者の幅を広げるとともに、大学の入試作成の手間を省いている。

 共通テストとは別に、大学独自の試験を課すものです。
 国公立大学と同じように、共通テストを1次試験として使い、それぞれの大学が必要だと思う科目を重ねて試験します。

 「単独」と同様、共通テストに要求される科目数で、私立大学志望者も受けられるか、国公立大学志望者しか受けられないかに分かれます。

 以下は、私立大学志望者も受けられるパターン。

人間科学部
 共通テスト:2科目(国語/国語・英語以外からもう1科目)
 独自試験 :英語/国語

商学部
 共通テスト:英語/数学×2
 独自試験 :英語/数学

 まったく同じ「英語」と「数学」がダブルで課されている。

法学部
 共通テスト:4科目(外国語/国語/数学/社会or理科)
 独自試験 :英語

 共通テストに「数学」と「社会or理科」が必要なので、私立大学志望者には少しハードルが高い。

外国語学部
 共通テスト:3科目(外国語/国語/社会or数学)
 独自試験 :外国語、日本語学習に関する総合問題

総合グローバル学部
 共通テスト:3科目(外国語/国語/社会)
 独自試験 :英語を含む総合問題

理工学部
 共通テスト:4科目(外国語/数学×2/理科)
 独自試験 :数学/理科

 共通テストも独自試験も、理科は1科目。

 実質、国公立大学志望者しか受けられないパターンがこちら。

教育学部
 共通テスト:6教科8科目
 独自試験 :専門科目か総合問題(学科による)

 完全に、国公立型。

政治経済学部
 共通テスト:4科目(国語/外国語/数ⅠA/その他からもう1科目)
 独自試験 :総合問題

 国公立大学理系志望者も受験できるようにしている。

 「共通テスト併用入試」ではなく「共通テスト利用入試」といいながら、「小論文」や「面接」を課すこともあります。

共通テスト利用選抜(前期)
 共通テスト:5教科7科目
 +
 小論文/面接

共通テスト・一般併用選抜
 共通テスト:5教科7科目
 独自試験 :2教科(英語/理科×2)
 +
 小論文/英作文/面接

共通テスト利用選抜(後期)
 共通テスト:5教科7科目
 +
 小論文/英作文/面接

 いずれの方式も、「情報」を除く5教科7科目を必要とするので、国公立大学志望者しか使えない。
 「共通テスト利用入試」なのに、2次試験として「小論文」や「面接」が必要。

 注目は、出願期間。すべての方式が「前出願」。共通テストの前日までになっている。

 順天堂大学は、医療看護学部、保険看護学部も、2次試験として面接がある。

⒝ 出願の時期

 共通テスト利用入試は、出願の時期で、「前出願」と「後出願」に分けられます。
 「前出願」は、共通テスト前日までに出願するもの。「後出願」は、共通テスト後、自己採点をした上で出願するものです。

 「共通テスト併用入試」は、個別試験の一種ですから、「後出願」が基本です。
 上で挙げた【共通テスト併用入試を採用している主要大学】のうち、「前出願」なのは、順天堂大学医学部/医療看護学部/保険看護学部だけです(薬学部は「後出願」)。

⒞ 検定料は?

 私立大学入試の検定料は、一般的に次のとおりです。

【私立大学入試検定料】
    共通テスト利用入試:15000円〜20000円
    個別試験     :30000円〜35000円

 共通テスト併用入試は、個別試験の一種ですから、個別試験の検定料が適用されます。
 ただ、大学によっては、共通テストを用いない個別試験よりも安い場合もあります。また、複数の方式で同一学部学科を出願したり、同一方式で別学部学科に出願したりする(まとめて「併願」を呼んでおきます)と、割引されることもあります。

 主要な大学を見てみましょう。
 「少し安い」「半額!」というのは、個別試験検定料との比較です。

早稲田大学上智大学中央大学立教大学日本大学
工学部
順天堂大学
医学部
共通テスト利用
検定料
20000円20000円15000円18000円18000円40000円
共通テスト併用
検定料
30000円
少し安い
35000円35000円35000円
※1
18000円
半額!
60000円
個別試験
検定料
35000円35000円35000円35000円
※1
35000円60000円
併願割引ありありありなしなしなし
備考2出願目以降
+20000円
2出願目以降
+20000円
2出願目以降
+15000円
医学部なので
高い。※2

 ※1 立教大学は、すべての方式で、「英語」は共通テストまたは外部試験なので、共通テスト併用試験とそれ以外の個別試験の区別がない。
 ※2 順天堂大学は、学部ごとに、入試方式や検定料がまったく違う。ここに挙げたのは、あくまでも医学部料金。

特別入試

 私立大学の特別入試にも、共通テストを使う大学がわずかながらあります。

 「商業部門」は、商業高校出身であることと簿記2級以上を出願の条件。
 「公募制」(学校推薦型の一種)を名乗りながら、学校長の推薦が要らず、併願できる(合格をキープしながら、他大学、他学部学科を受験できる)。

共通テストの得点でのみ、合否の判定をする。

 1次選考(課題レポート)、2次選考(総合問題)を合格した者が、最終選考(共通テスト)で8割以上とると合格。

法学部
 共通テスト:3教科3/4科目(外国語/国語/社会or数学)

 法学部以外(教育学部/文学部/文化構想学部/人間科学部/スポーツ科学部)も、共通テストを3教科3/4科目受験して、総得点が8割以上、というのが最終合格の条件。

 総合型選抜なので、併願できる(合格をキープしながら、他大学、他学部学科を受験できる)。
 とにかく、1次選考の課題レポートが重い!

 なんと、早稲田大学は、指定校推薦でも共通テストの受験を必須としています。