第二の扉…日本語


 あざみ野塾では「日本語」と呼んでいますが、大学受験を視野に入れた説明をいたしますので、一般的な呼称としての「現代文」で説明させていただきます。


 そもそも、テストは文章読解の実力を測るためにありますが、いつしか、テストの点数の良いことが文章の読めることだと思いこまれてきました。
 しかし、文章を「読む」ことと設問を「解く」ことは根本的に違います。

 文章を「読む」とは、筆者/作者の書いた文章を読むことであり、比較的長い文章を大づかみできること、いわば文章を〈マクロ〉にとらえる力が求められています。そのため、現代についての知識や興味関心、文章全体を構造的に把握する力などが必要とされます。
 一方、設問を「解く」とは、出題者の作った設問に答えることであり、短文から的確に意図を読み取ること、いわば文章を〈ミクロ〉にとらえる力が求められています。日本語を文法的に正確に読む力、一字一句読み飛ばさない注意力などが必要とされます。

 前者は、一般に「文章読解力」といわれ、これこそ国語教育の目的だと考えられてきましたが、現代社会において求められているのは、短い言葉で正確にやりとりできる能力=「コミュニケーション力」であり、この能力を鍛えるのが、これまでただのテクニックだとして蔑まれてきた「解く」力(後者)です。

 そもそも、「現代文」は、日本語によって書かれた、現代についての文章を対象とする学問です。「読む」ためには、日本語を学ぶこと(語学)と現代を学ぶこと(現代学)が必要です。

 一方、「解く」ためには、出題者の意図を見破る必要があります。文章が読めれば解けるわけではありません。そして、答えるためにはそれを表現できなければなりません。

〈読む〉
 ⑴ 語学としての現代文
  ⒜ 語彙…英語でいう「単語」にあたる部分です。
  ⒝ 構造…英語でいう「文法」にあたる部分です。
     ただ、文単位ではなく、文章単位のルール・構造を扱います。
 ⑵ 現代学としての現代文
  ⒞ テーマ…現代の基本的なテーマについて考察します。
     文章が読めないのは、その文章のレベルが高いのではなく、
     その分野に興味がなく読むための知識や語彙がないからです。

〈解く〉
 ⑶ 設問としての現代文
  ⒟ 出題者の意図…設問自体を「読み」ます。  

〈書く/言う〉
 ⑷ 表現としての現代文
  ⒠ 記述…文章や解答を「書き」ます。
  ⒡ 発言…意見を「言い」ます。 


 上記4分類に応じて、次のような授業が行われています。

  ① 新聞コラムの音読…毎日、全員でやっています。
                         ←⒜・⒞
  ② 現代学入門…高1・2向け。
      本を読ませて、
      その内容とかかわる自分の具体的体験をプレゼンさせます。
                         ←⒜・⒞・⒡
  ③ 構造…高2〜受験生向け。
      文章構造の基本を訓練する、現代文への入門講座。
                         ←⒝
  ④ 内容…受験生向け。
      現代の主要テーマを体系的に一年かけて習得させる講座。
                         ←⒜・⒞
  ⑤ 解く…受験生向け。
      〈設問の読み方〉を習得させる講座。
      センター試験から始めて、記述問題に至ります。
                         ←⒝・⒟・⒠
  ⑥ 要約…受験生向け。
      「構造」の文章を使って200字に要約する練習をさせます。
      記述問題や小論文の前提として、個別に対応します。
                         ←⒝・⒠
  ⑦ 小論文…受験生向け。
      個別に指導します。
                         ←⒝・⒞・⒠


 すべての講座が開講されているわけではありません。塾生の状況や時間割の都合などで、開講講座は変わります。

 カリキュラム全体については、「カリキュラムについて」をご覧ください。