「普通」の勉強…変わる大学入試?

 大学入試が大きく変わろうとしている、、、といわれています。

 しかし、そこで求められていることに「特別な勉強」は必要ありません。むしろ、これまで以上に「普通の勉強」=「王道の勉強」が必要とされています。
 たとえば、「普通」に英語の勉強をしていれば、英検対策、Teap対策(※)など、ほとんど必要ありません。
  ※ Teap…上智大学が主導している大学受験用の資格テスト。

 問題は、その「普通」です。

 英語を英語として学ばせる——ということが一部の高校で流行っています。
 しかし、英語を英語として学ばせたいなら、ネイティブスピーカーが英語を身につけた状況と同じように、英語だけの環境に身を置く必要があります。
 それが、日本に住む高校生に可能でしょうか。

 むしろ、異言語を学ぶために必要なことは、母語との比較対照です。

 英語は、日本語と対照することで、言語的・文化的な理解を深めることができます。そして、それは日本語の言語的・文化的な理解を深めることでもあるのです。
 異言語を学習するとは、異言語を学ぶだけでなく、母語を学ぶことですし、母語を足がかりにしないと、異言語への理解は進みません。

 だから、あざみ野塾では、「ベタ」な勉強しかさせません。

・ 教科書の英文(※)を丁寧に日本語訳させる。
・ 教科書の英文を毎日「音読」させる。
 ※ 教科書…多くの方が勘違いしていますが、教科書ほど人と時間をかけて作られた教材はありません。その分、掲載されている文章は練りに練られています。

 その際に大事にするのは、文構造を把握させることです。英文法は、文章読解のためにあるのであって、細かい文法クイズを解くためにあるわけではありません。

・ 学校支給のCDやポッドキャスト(※)を使って、リスニングの練習をさせる。
・ 発音やアクセントの確認をする。
 ※ ポッドキャスト…ネット配信される音源で、PCやスマホで簡単に手に入れられます。

 こうしたことを「普通」にやらせています。
 しかし、その効果を高めるためにも、母語=日本語教育が必要です。

 あざみ野塾では、塾生全員参加の形で、新聞のコラムを音読させ、それについてのミニ解説を行っています。
 目的は、2つあります。

1 語彙力を増強させたい…高校生にとって必要なのは、受験用の「特別」な語彙ではなく、本当は常識的に知っていなければならない(でも知らない)「普通」の語彙だということ。
2 世の中に関心をもってもらいたい…現代への興味・関心なくしては、日本語(現代文)や英語は読めないし、文章理解や学習が深まらないということ。

 あざみ野塾は、小さい塾だからこそできる、こうした取り組みを積極的にやっています。

 あざみ野塾では、古文(という異言語)についても、同じ思想で取り組んでいます。
 教科書の丁寧な訳や音読に並んで、『更級日記』の講読などもやらせています。